防災用地下水について

お知らせ

 砂こしフィルターとモーターとの間の継手にある逆止弁の機能が少し劣化していたためとりあえず清掃を行い調整しました。

 砂こし器のパッキン及びドレンプラグと、逆止弁の3つについて劣化が見られたため新品への交換を依頼しました。

 ポンプ本体は2018年製で定期的に交換する部品以外は問題ありません。砂こし器の中を流れる水を見てみると吸い上げ量が少なく、これはつまり地下の水が足らないということだそうです。したがって上記3部品を交換しても劇的に改善するということは期待できないかも知れません。

 2月末くらいまでは渇水期のため、地下水位の低下が続くと想定されます。そのため時々ポンプが停止して、ご利用の皆様にご迷惑をおかけする場合がありますが、ご理解とご協力をお願いします。

画像の自動送りはタッチすれば止まります。停止後の画像送りは手動(左右)で可能です。

銅駝会館の防災用地下水について

 銅駝会館に防災用地下水が設置されたきっかけは、1995年の阪神淡路大震災にさかのぼる。震災直後に当時の体育振興会の発案で銅駝学区の女性らがカレーライス500人分を作り、それを銅駝自治連合会のメンバーが車に積み込んで被災地に届けたところ、当時被災地では断水が続いており、不便な生活を強いられていた被災者が、避難所の小学校に巡回してくる給水車を待っている様子を目のあたりにして「一番早く復旧したのは電気だった。水はなかなか元通りにならなかった。万が一の時に必要なのは住民の水」だと痛感されたという。

 これをきっかけに「もしもの時に水がないとあかん。じゃあ井戸を掘ろう」ということになり、将来地震が起きた時にライフラインが回復するまでの間、誰もが使える「命の水」の設置場所として、避難所となっている銅駝美芸高校の敷地内に建つ銅駝会館が選ばれた。そして銅駝自治連合会により、現在の場所に井戸が掘られたのである。また井戸の質を保つためには日常的に使用することが大事であり、だれもが自由に使えるようにということで、通りに面して会館の外に蛇口を出すように設置され、今日に至っている。

 こうした経緯は2009年7月7日の京都新聞・市民版に掲載され、2017年4月6日の京都新聞にも取り上げられた。また2019年には、電動ポンプが作動しない場合に備えて、新たに非常用の汲み上げ手こぎポンプが銅駝自治連合会により設置された。また定期的な水質検査も銅駝自治連により行われており、検査成績書が取水栓の近くに掲示されている。こうした検査費用など防災用地下水の維持に必要な管理費を集めるために、協力金の募金箱も設置されている。

 テレビドラマの舞台としても登場するなど、「銅駝の水」としてすっかり有名になった銅駝会館の防災用地下水。今ではGoogleマップにも「銅駝水」の表記が見られるほどだ。ここの水をペットボトルやポリタンクなどに入れて持ち帰る人は毎日あとを絶たず、喫茶店や料亭などで使うために汲みに来られる方もおられるとのこと。

 京都はもともと豊かで良質な地下水に恵まれ、近隣の有名な地下水としては、下御霊神社の「御霊水」(旧 感応水)が知られているが、他にも市内各所には昔から名水として知られた井戸が数多く存在し、ひと昔前までは多くの町内で井戸が見られたものである。しかし銅駝会館の防災用地下水のように、24時間いつでも誰でも利用できるように公共スペースに設置された例は大変珍しく、銅駝学区の誇れる財産となっている。